今日(9/28)の足尾は曇り空。昨日降った雨のせいか山々には幻想的な霧が横たわっていました。 「みちくさ」の気温は22℃と涼しく、風もありません。ただ、このところ毎日のように降る雨が気になります。
今日の相方・大野舎人は着くより早く、「みちくさの庭」が気になっているようで、庭の中に入るなりコオニユリの種が実っている有無を確かめ、採取していました。多分、自宅で種を蒔き、その苗をの庭に植えるつもりではないと思いました。人の気持ちを動かすにはこのようなことから始まっているのかと思いました。
私も庭に入ってみると、ピンク色した可憐な花が6本点在して咲いていました。スマホで撮影して調べてみると、イヌサフランらしいことが分かりました。とても愛らしく感じましたが、このような気持ちになれるのは見えない所での何かがあることを忘れてはならないと改めさせられました。
その後、大野舎人は「心の園」の草刈り作業を行っていました。私は「みちくさの庭」に咲く草花のに”竹串”を刺し、草花が冬を越せる土の耕し用の目印にしました。その後は、庭の外周の草を刈りました。
昼食を食べ終える頃、大きな声で「郡山から東京に来ていた増子です!」と言いながら、男女2人がやってきました。私たちは少々ビックリしましたが話を聞くと、増子さんは郡山から東京へ出向して労働組合の役員をしたり、福島県・金山町で森びとが取り組んだ「ナラ枯れ」防止の炭蒔き等を五年間も手伝っていた方で、森びとインストラクター3期生でした。
足尾に来たのは「孤高のブナ」に会うためと言っていました。森びとの会員でもあるので、森びとから送られてくる情報や資料を奥様と見て、奥様はブナに「会ってみたい」と思っていたそうです。いかんせん午後から中倉山を登るには時間が足りない。私たちと話し合って今回は諦めることにしました。
増子さんは第3期インストラクターを修了する時、ある約束を守らなかったことに関して宮脇先生から厳しく𠮟られたことを話をしてくれました。その反省は忘れず、一緒に生活している妻や家族に森びとの活動を話し、その結果のひとつが今日の「みちくさ」訪問であることを言っていました。同じインストラクターの私としては身に沁みる話を聞かされました。森びとインストラクター修了生は全国に約120名いますが、人間が壊した地に木を植えて森の再生を願って始めている”山と心に木を植える”活動の20年を振り返ってほしいと願います。当初の志を想いだし、家族・友人・知人たちへ森と生きることの大切さを広げてほしいと思いました。
樹高10㍍程に生長している樹々を観た増子ご夫妻は、自分たちの今を見つめることが出来たのでしょうか?二人は、「またきっと来ます」とノートに書いてくれました。明るい二人との出会いができたことを嬉しく感じました。来年の森づくり20年にお会いできることを楽しみにしています。今度はお子様と一緒にお出で下さい。
「松木郷」の一本のカキノキの実は日に日に色ずいています。草原の一角のコスモスの花にも心が癒されます。
「森びと広場」のカツラ、サクラ、カキノキの葉の色が足尾ジャンダルムを飾り付けているようです。間もなく、秋の色鮮やかな季節を迎える「松木郷」です。そのままの煙害地と人が少しばかり手入れした森の秋の賑わいを見に来てください。多くの皆様のお出でを「みちくさ」でお待ちしています。
帰り道、足尾ダムゲートで松木沢方面を振り返りると、また雨が降り出しそうでした。
今日の舎人は、大野、橋倉でした。(報告・橋倉喜一)
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