生物社会に生きる人の心構えを痛感した秋の足尾・松木沢
台風一過の真夏日だった昨日とは変わり、寒さと秋雨の中のみちくさでした。みちくさオープン前、周囲を見回すと網に絡まっている鹿を発見。必死に生きていく様子を観ながら、網をカッターで切ってやりました。鹿は、後ろ足を高く蹴りながら松木川の方へ逃げていきました。
小林舎人と落石の話しをしていると、中倉山登山をしてきた男女の二人組が訪れてくれました。孤高のブナに会ってきたそうですが、下山は道を間違えて松木川上流の6号ダム方面から下りてきました。岩場では苦戦されたそうですが、静かな足尾の山々が好きそうで、「あまり中倉山も観光地化してほしくない」と言っていました。また、鹿は朝の6時頃には網に絡まっていたということでした。その後も数名が下山して行きましたが、皆さん、網に絡まっていた鹿が気になっていたようです。
曇天のせいなのか、来訪者は少ない日でした。台風の置き土産なのか松木沢の岩山は普段の様子ではない感じです。まだ紅葉シーズンには早いようですが、“森の秋祭り”の準備に入っているようです。木葉が紅色に染めている木々が多くなってきました。
荒れ地に木を植えている私たちですが、鹿たちにとっては生きる道を塞いでしまっているのかと考えさせられました。生きものたちは越冬準備に入り、実りの秋を堪能しているようですが、その社会に人間の都合が入り込むとその社会はどんなことになってしまうのか、ということを考えさせられた一日でした。
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