いのちをつなぐ森づくり。生物社会の一員に仲間入り。
3連休中日の7月14日、足尾はあいにくの雨降りです。朝9時の気温は19℃。
本日は群馬県・樹徳高校の環境学習サポートが開催されました。当初は“うんしゅう亭”での講義予定でしたが、雨天で肌寒いため、“遊働楽舎・みちくさ”に場所を移し講義が行われました。10時に開講し、オリエンテーションの後、生徒たちは雨具を着用し“民集の杜”の育樹作業に向かいました。
生徒たちが育樹作業・森の観察をしている間、舎人の仁平さんは先生から贈呈されたブラックベリーをみちくさの庭に植え、草抜きなど育樹作業を行いました。
筆者清水は、“みちくさ”のソーラー発電の充電が不安定なことから、NTT 携帯電話の電波増幅器が使用できない日もあり、小型のソーラーパネルと充電用バッテリーの設置作業を行いました。
11時頃、男女二人組のハイカーが「少し休ませてください」と立ち寄り、作業の手を休め話を伺うと、「知人が山(皇海山)で遭難し、何か手がかりが見つからないか」と松木川上流へ捜索に向かうとのこと。濁沢まで行ければということでしたが、雨の中の沢歩きは危険を伴いますので、無事戻ってくることを願い見送りました。
小型ソーラーシステムの設置作業を継続し、曇天でしたがソーラーの発電電圧を測ると20V。十分な電圧です。バッテリーにインバーターを接続し100Vに変換。電波増幅器をつなぐと、動作良、アンテナが1本立ち携帯電話が送受信できるようになりました。緊急時の中継地点(舎人担当在舎日)としてハイカーや登山者の皆さんに利用していただけます。
11時50分頃、樹徳高校の皆さんが戻ってきました。昼食休憩をとり、12時45分から意見交換です。高橋副理事長から「地球は大切な友だち」と題して、人間の暮らしの中で身の回りにあるものはみんな「植物」でできていることや、樹種の多い森には多種の虫が生息し、いのちをつなぐ生態系がつくられていることが話され、森びとのつくる森は「メニュー豊富な大衆食堂」と紹介されました。気候変動・異常気象は人間のくらしによって起きており、私たちの暮らしを変えることを真剣に考えようと学生たちに投げかけ意見交換が行われました。
植物が生活に取り入れられている事例として、クスノキの葉のにおいを嗅ぎ、虫よけの樟脳に利用されていることや、ヒメスイバの葉で10円玉(銅貨)を磨き、ピカピカになることを実体験し、植物の役割や効能を学んでいました。
「森とつきあうことは自分のいのちをつないでいくこと」を育樹作業と意見交換で学んだ生徒さんたちは、苗木と同じように少し成長したように感じられました。
「森と生きる」生徒さんたちを引率された教諭のみなさんお疲れ様でした。
16時になり“みちくさ”を閉舎すると、知人を捜索に松木渓谷に向かった2人が戻ってきました。「川の水量が増えていて川を渡れないので引き返してきた」と報告してくれました。疲れた様子でしたが2人の顔を見て安心しました。“みちくさ”からダムゲートまで徒歩1時間ほどかかるので、舎人・仁平さんにお願いしダムゲートまで送っていただきました。仁平さんありがとうございました。
松木の里はウグイスの鳴き声が響き、草むらでは鹿の群れが草を食み、たくさんのトンボが舞っていました。雨の恵みで草の生長も早いようです。苗木の生長を助けるため育樹作業も進めていきます。
本日の放射線量 0.154µsv/h 舎人は仁平、筆者清水でした。
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