静かに時が過ぎる晩秋の松木渓谷。
本日は11月14日(日)、朝から足尾は快晴です。晩秋の松木渓谷を散策する皆さんの訪問を楽しみに、“みちくさ”のオープン準備をしました。9時の気温は8℃。舎人相方の弘永さんがお湯を沸かし、ストーブに火を入れてくれました。筆者は、外に森びと旗を立て、「いらっしゃいませ」のコーヒーカップを出しました。
朝の打ち合わせのコーヒータイムには、南相馬の岩橋さん、東城さんから差し入れしていただいた菓子をいただきました。ごちそうさまでした。
午前中は、放射線量計測後に“みちくさ”のソーラーシステムのバッテリー接続、松木の杜の獣害柵点検を行うことにしました。
外のバッテリーボックスを開け、10日に交換したバッテリーの配線接続をしました。10年前に設置したバッテリーが劣化して充電できなくなり、直流から交流への変換機器が使用可能か不明であったため、容量は1/10程度ですが、筆者が自宅でソーラー充電用に使用しているバッテリーを仮設置しました。
接続後、室内の配電盤のスイッチを入れ、インバーターをON。室内灯のスイッチを入れるとLEDランプが点灯しました。回路は生きていました。一安心です。ソーラーからの電圧とバッテリーの電圧を測定し充電されていることも確認しました。陽が落ちると充電がストップするので、足尾の寒冷地で使用できる時間などを把握していきたいと思います。
その後、獣害柵の点検に向かいました。コンテナから針金とペンチを持ち、松木の杜へ入ると、柵の上部が所々曲げられていました。サルの群れが出入りするために見張り役をするサルが腰かけた場所と思われます。
足もとにツヤツヤした鹿のフンが落ちていました。シカが入り込んでいることを警戒し、柵の点検をしながら見回りしました。一周し、破られた箇所は無く、シカも外に出てしまったようです。一安心です。森の中を歩いていても鳥やシカの鳴き声が聞こえません。工事も休みのため静かな松木です。松木渓谷に向かうハイカー見受けられませんでした。
点検を終え“みちくさ”に戻ると12時近くになっていましたので、手を洗い昼食にしました。昼食後、外にいた弘永さんから「アナグマが小屋の下に潜り込んだ」との情報を得て、しばらく様子を見ているとアナグマが顔を出しました。本日最初の訪問者です。
体長60㎝ぐらい。草むらに鼻を挿し前足で草をかき分け、虫を探しているようです。静かに見ていると足もとまでやってきました。愛くるしく、ぬいぐるみの様です。
2時過ぎに、ロッククライミング帰りのシニア2名が立ち寄ってくれました。話を伺うと横浜からの訪問者で、金曜夜から足尾入りし、昨日、今日とクライミングを楽しんだようです。クライミング歴をうかがうと、「20年ぐらいかな」ということで、「30歳くらいから始めたのですか」と聞くと「54歳から」という返答にびっくり。現在75歳になるそうです。シニアのパワーに驚きです。以前は奥様とアイスクライミングを楽しんでいたそうです。
「ジャンダルムの岩肌は弱く、落ちるより落石が怖い」とクライミングの難しさや「昔は緑も少なく黒い山だったが、今は緑がずいぶん増えた」と森づくりに取り組む一員としてうれしい感想を話してくれました。またのお越しをお待ちしております。
中倉山に陽が沈み、寒さも増してきたので“みちくさ”を閉舎し帰路につきました。本日“みちくさ”の訪問者はクライマー2名とアナグマでした。本日の舎人は、弘永、清水でした。
報告・清水卓(本日の放射線量0.090µ㏜/h)
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