いのちが繋がる!ホタルの舞う松木村に希望を膨らませる。
9月29日、大型台風24号が接近し、前線の影響で足尾は小雨が降り続く1日でした。
足尾ダムから落ちる水量が多く感じられます。足尾ダムのヤマボウシの実をスズメバチがおいしそうについばんでいました。
“みちくさ”9時30分の気温は16℃と肌寒くストーブに火を入れました。
今日は生態観察チームの観察会があり、「足尾にホタルを飛ばす環境調査」がおこなわれました。参加した宮原事務局員、山本インストラクターが、栃木県生物多様性アドバイザーの高橋潔さんからゲンジボタルの生態や育て方の講義を受け、ホタルの幼虫の餌となるカワニナがビオトープで生育しているかの調査を行いました。
雨天でハイカーや釣り人の訪問が見込めないので、調査に同行しました。ビオトープの食害防止ネットを外し、7月7日に放流したカワニナを高橋潔さんが取り出し、生育できなかったものと生育しているものを分け調査をすると、元気に生きているカワニナが次々とビオトープからすくい上げられました。驚いたことに水中に張っていた藻の中から稚貝が発見されました。ビオトープの水を涸らさないように努力してきた舎人・スタッフの苦労に感謝し、命が繋がっていることに嬉しくなりました。
生態観察チームは生育状況のデータを取り、現在造成中の“みちくさの庭”内のビオトープに放流をしました。ホタルの飛び交う松木村を想像するだけでもワクワクします。
“みちくさの庭”には、高橋副理事長宅から運ばれたツツジや松、松村宗スタッフが準備した草花などが植えられました。造園作業には栃木県ファンクラブの弘永さんも参加してくれました。
川のほとりに低木や花木が植えられ、草だけだった“みちくさ”前の緩斜面が、松木渓谷を訪れる方々の憩いの場に変化しようとしています。かつて松木村に暮らした村人を想い、村人の笑顔と色とりどりの草花の蜜を求める昆虫や、鳥類など多様な生物のふるさととなるよう“みちくさの庭”づくりがスタートしました。
二十四節気では秋分、七十二候では蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)です。この時期は地上で活動していた虫やヘビ、カエルなどが再び土に潜って冬眠の準備をはじめる時期と言われています。森びと広場の作業小屋横に積まれた木の上にクワガタムシ(メス)がとまっていました。これから木の中にもぐり越冬の準備をするのかなと思いました。
葉が紅くなり始めました。涼しさから寒さに気候が変わると松木の森にも紅葉が訪れます。
気候変動によって「数十年に一度の自然災害」が「数年に数度」の自然災害となり多くの人々が被災しています。緑豊かな山々も深層崩壊し、植生の回復には長い年月が掛かることが予想されます。あらためて、森に寄生してしか生きられない生物の一員としての人間であること。その人間の経済活動によって地球温暖化が進行していることを捉え返さなければなりません。
臼沢の森や松木、民衆の杜は多くの植樹ボランティアとスタッフの育樹活動によって生長し実を付け生物のいのちを繋いでいます。秋の味覚・自然の恵みに感謝し、自然に寄り添う暮らしを心がけたいとおもいます。
小さい秋を見つけに来ませんか。多くの方の来舎をお待ちしています。
本日の放射線量 0.121µsv/h 舎人は松井、筆者清水でした。
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