生物社会の一員にすぎない人の義務を問いかけられる雨の松木沢
今年の夏は猛暑が一週間以上も続いたと思いましたら、台風の上陸と接近から長雨続きです。日照時間が非常に短く農作物が心配だ、というラジオニュースが流れていました。
今日は、宇都宮市から中倉山山頂を目指した20数人の皆さんが登山を止めて、松木渓谷の散策をしていたようです。その帰り道の後ろ姿に会いました。
釣り人には雨の影響はないようで、昼頃に、釣り人が昼食を食べさせてください、と“みちくさ”に寄ってくれました。松木川の岩魚と山女魚の話していると、「ツネ吉」が顔を出してくれましたので、釣り人は「こんな近くでキツネと会えるなんて」と言って、嬉しそうでした。
雨の中の足元を見ると、生物社会のつながりが見えています。小さな池には、短い一生を終えて死んだカゲロウ、トンボの姿。やがてこれも餌になって生き物たちのいのちを育むことでしょう。
チカラシバの実も日ごとに膨らんでいるようですが、日照時間が短いので実の栄養価はどんなものでしょう。間もなく小鳥たちの大切な餌になるのですが、
また、色づいた葉が目立つようになってきました。これは桜の葉ですが、トチノキやヤシャブシの葉も秋の薄化粧をしているようです。
ところで今夏は猛暑日が続く中、熱中症に注意しながら涼しい部屋などで暮らしてきましたが、電力消費の規制はありませんでした。それなのに、民意の過半数以上が再稼働反対を無視して、九州電力は川内原発の再稼働スイッチを押しました。また、政府はこの姿勢を肯定しました。
写真のように「みちくさ」周辺では放射線量が0,21μSvです。5年前のフクシマ原発事故以来、この数値は変わっていません。これ以外にも放射能の恐怖は消えていません。自然界はどんなに暑くても、実りの秋を迎えようとしています。すべての生きものたちのいのちを育むために。その一員たる人間の一部は「いのち」よりも利益優先です。トノサマバッタも寂しそうでした。
(舎人:高橋、仁平・本日の放射線量は021μSvでした)
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