林床を彩る可憐な草花たち。松木郷は芽吹きの春です。
4月21日(日)、足尾の松木郷は曇り空です。9時の“みちくさ”の寒暖計は17℃。本日は23日の森作業の下準備で加賀スタッフが足尾入りしてくれました。“みちくさ”のオープン準備をして、コーヒーを飲みながら打ち合わせを行いました。
23日に行う森作業では、竹で民集の杜を観察するルートを作ることと、落石で壊れた臼沢西の森の獣害柵と植樹棚の土留め修繕を2班に分けて行う計画です。23日責任者の加賀スタッフは事前に竹の柵づくりの試行を行いました。
松木郷の森、杜を眺めると木々が薄緑色に染まり始め、臼沢の森にはヤマザクラの白い花が目につきます。林床を彩る花たちも顔を出し始めているのではなかと、放射線量の測定の際に「民集の杜東」に足を運びました。
杜内に入るとブナが産毛を生やした薄緑の葉を広げ、モミジは紅く幼い葉を広げ始めました。そして、コナラやトチノキ、シラカバなど春の息吹を感じさせます。
5月の連休頃に咲き始めるシロガネスミレやフデリンドウ。目を凝らして林床を探すと、シロガネスミレが2輪、フデリンドウを1輪見つけることが出来ました。昨年はフデリンドウの確認が出来なかったので、種が活着して増えることを期待します。シロガネスミレは種が弾けて飛び散り、アリが運んでくれます。林内にはスミレの株が広がっていました。シダやスカンポも登場しています。
“みちくさ”に戻り訪問者を待ちますが、曇り空のためかハイカーや登山者の姿も見えないため、冬の降雪時に食害もあった“りんねの森”の点検に向かいました。土壌改良地では桜の幼木が葉を広げています。
砂地では2022年10月植樹した際に60㎝程だったヤマハンノキが2m程に生長していました。樹皮の一部が食害にあったヤマハンノキも元気に葉を広げていました。
西北のエリアは、ヤマハンノキ、シラカバ、ヤシャブシが密生しています。他のエリアは枯れが目立ちますが、広場の南斜面と西側の土盛りで松木川上流からの風が遮られていることが影響しているのかもしれません。
苗木が草に覆われていた赤土、湿地のエリアを観察すると、枯草は地面を覆い、幼木となった木々がしっかりと育っていました。特に湿地エリアの生存率は高いようです。
春本番になると草も伸び、花も咲き始めます。厳しい足尾の冬に負けてしまった幼木もありますが、木々の生長と共に下草など植物の「遷移」を観察していきたいと思います。
本日は、ジャンダルムでのクライミング帰りの2人が通過しただけで、鳥のさえずりが響き渡るのどかな舎人日となりました。
本日の舎人は橋倉さん、清水、森作業準備で加賀さんでした。
(報告:清水 卓)
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