うれしい七夕になりました。森ともと「クマ」と星空の織姫が“みちくさ”してくれました。
本日7月7日は七夕です。足尾の天気は曇りでしたが時折雲の切れ間から青空が見えました。彦星と織姫は1年ぶりに会えるでしょうか。鹿の出迎えを受け、森ともとの出会いを楽しみに遊働楽舎(愛称:みちくさ)をオープンしました。9時の気温は24℃。すでに高橋副理事長と仁平スタッフは“みちくさ”周りの草刈りを行っており、汗ばむ気温です。
七夕にむけて、6月から“みちくさ”に立ち寄っていただいた森ともの皆さんや、森びとスタッフから、気候変動や森づくりへの思い、温暖化防止に向けた決意などを短冊に書いていただきました。短冊に麻ひもを通し、一昨日柳澤スタッフが運んでくれた竹に、舎人の小井土さんと一緒に短冊をつるしました。
時折突風が吹き、短冊をつけた竹が飛ばされそうになりました。風が止むのを待って全部の短冊をつけ終えました。竹を立てるためにみちくさの東側に単管を打ち込み、竹を差し込むと七夕飾りの出来上がりです。短冊が風に揺られ、みなさんの思いを森に届けているようです。
本日1番に立ち寄ってくれたのは、ベテランクライマーの大木さんです。松木の斜面で子育てをするクマの写真を持ってきてくれました。ここ数日クマの目撃情報があり、今朝も松木川の対岸でクマが確認されました。
そして、ニンニクの効いたキュウリの漬物もいただきました。昼においしくいただきました。大木さん、ごちそうさまでした。
草刈りを小休止した高橋副理事長からクマ情報です。“みちくさ”東側に植えられたウワミズザクラの実が食べられ、食べるために木の枝を折ってベッドのようにしたクマ棚ができていると知らされました。クマ棚を見るのは初めてでしたが、うまく作るものだなーと感心しました。枝を折られたのは残念ですが、クマも森(さくらの実)に生かされているんだなということを真近で確認でき、うれしくなりました。
午後になると、ジャンダルムから戻ってきたロッククライマーの男性3人が立ち寄ってくれました。皆さん栃木県内在住の方で、天候が悪くなると予報が出ていたのでロープ張りの練習をしてきたと教えてくれました。
早速、七夕の短冊に「願い」を書いていただきました。「12Cの壁が登れますように」「安全に足尾の山に登れますように」「世界が平和でありますように」。さっそく竹に飾らせていただきました。
氏家から来たクライマーの男性からは、「以前、沢登りをしていたら近くの木の上でクマの親子がドングリを食べていて、自分は水の音で気づかなかったがクマはびっくりして木から落ちて逃げていった」とクマ情報を教えてくれました。クマは広いエリアを縄張りに持つそうですが、クマが生息できる森が広がっている証ですね。私たちがこの地で森づくりを始めて15年。食物連鎖・生態系の循環が可能な森の形成に少しでも役に立っていると思うとうれしい限りです。
次に立ち寄ってくれたのは野田市から松木渓谷を訪れた男性です。「北側の斜面で黒いものが動いていたよ」とクマ情報を教えてくれました。
その後、以前みちくさ看板前で遊んでいるキツネの写真を提供していただいた大沢さんが立ち寄り、早速クマの写真を撮りに松木渓谷へ向かいました。しばらくして戻ってくると、「親子のクマを撮れました」と報告してくれました。
そして、クマと足尾の星空をこよなく愛する女性も合流し、足尾で見る星空・天の川の美しさで話が盛り上がりました。星空観察担当の仁平スタッフは、見せていただいたジャンダルム方面にかかる天の川の写真に感動(星空観察を計画しても曇天で観察できないこともあり)。さらに「星空案内人3級」を所持していることも紹介され、森びとで「星空観察会」を計画するときは、指導をしていただくこともお願いしました。よろしくお願いします。
七夕の願いは、多くの森ともとの出会いをかなえてくれました。そして、キツネやテン、アナグマ、ツキノワグマなど、多くの生き物と共生できる足尾の森が蘇っていることにも感動した1日となりました。
遠くに見るクマの親子は、母親から木の実やアリの巣の探し方、岩山の上り方など、生きる知恵を授けているように見えます。
出会いがしらのクマは危険ですので、鈴や笛、ラジオなど、人間の存在を知らせる準備も必要です。山に入る際はくれぐれも注意をお願いします。
午後は、舎人の合間に高橋副理事長・仁平スタッフと「みちくさの庭」の草刈りをしました。イチゴのツルが伸び、イチゴの苗が増えていました。松村宗スタッフのブラックベリーも実を膨らませています。花の蜜を吸うチョウも舞っています。オオカメノキの幼木が草に隠れていましたが、草を刈ることで風通しが良くなりました。
7月21日の第一回育樹祭では「みちくさの庭」に咲く花も楽しんでもらえるよう育樹作業も進めていきます。
本日の放射線量 0.105µsv/h 舎人は小井土、筆者清水でした。
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