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2019年7月

2019年7月15日 (月)

梅雨明けが待ち遠しい、足尾松木の動植物。

今日は7月15日海の日です。足尾松木の里は曇り空で気温23℃。遊動学舎「みちくさ」に入ると「のりよし君」が待っていてくれました。誰もいないはずなのに、誰かいると思わずドキッとします。入るたびにドキッとし、また騙されたと笑ってしまうやら、自分に対して怒るやら、情けなくなってしまいます。外では「松木のおじさんとおばさん」二人が出迎えてくれました。

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Cimg9290 「みちくさ」を訪れた森ともさんに願い事を書いていただいた短冊を付けた七夕飾りを片付けました。

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Cimg9264 綺麗な草花が咲く「みちくさの庭」ですが、草もいっぱい生えています。昨日に引き続いて仁平さんが草取りを行いました。

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Dsc_0017 ブラックベリーと柿の木には小さな実が実っています。美味しくなるようにと祈り写真に撮りました。

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Dsc_0008 今日は雨が降ったり止んだりの天候で、松木沢方面にハイキングに来た宇都宮からの男女カップルの方が渓谷から帰ってきました。「雨のため景色も余り見えず、熊にもキツネにも会えなかった。またの機会に必ず来たいと思います」と言って帰って行きました。その後、松木川の対岸の山の中腹付近に小熊2頭がいるよと女性カメラマンの方が教えてくれました。肉眼でも石の下にいるアリなどを舐めていると思われる行動が見て取れました。残念ながらカメラの倍率が低く写真は撮れませんでしたが、今年はいつもの年に増して熊が出没しているようです。駐車場がある広場の森びとの看板の足も熊の爪で削られてと思われる傷跡がありました。

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Dsc_0022 本日の森とも訪問者は2名でした。またお越しください。

本日の放射線量0.127μ㏜、舎人は仁平、筆者加賀でした。

いのちをつなぐ森づくり。生物社会の一員に仲間入り。

3連休中日の7月14日、足尾はあいにくの雨降りです。朝9時の気温は19℃。
本日は群馬県・樹徳高校の環境学習サポートが開催されました。当初は“うんしゅう亭”での講義予定でしたが、雨天で肌寒いため、“遊働楽舎・みちくさ”に場所を移し講義が行われました。10時に開講し、オリエンテーションの後、生徒たちは雨具を着用し“民集の杜”の育樹作業に向かいました。

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生徒たちが育樹作業・森の観察をしている間、舎人の仁平さんは先生から贈呈されたブラックベリーをみちくさの庭に植え、草抜きなど育樹作業を行いました。

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筆者清水は、“みちくさ”のソーラー発電の充電が不安定なことから、NTT 携帯電話の電波増幅器が使用できない日もあり、小型のソーラーパネルと充電用バッテリーの設置作業を行いました。

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11時頃、男女二人組のハイカーが「少し休ませてください」と立ち寄り、作業の手を休め話を伺うと、「知人が山(皇海山)で遭難し、何か手がかりが見つからないか」と松木川上流へ捜索に向かうとのこと。濁沢まで行ければということでしたが、雨の中の沢歩きは危険を伴いますので、無事戻ってくることを願い見送りました。

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 小型ソーラーシステムの設置作業を継続し、曇天でしたがソーラーの発電電圧を測ると20V。十分な電圧です。バッテリーにインバーターを接続し100Vに変換。電波増幅器をつなぐと、動作良、アンテナが1本立ち携帯電話が送受信できるようになりました。緊急時の中継地点(舎人担当在舎日)としてハイカーや登山者の皆さんに利用していただけます。

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 11時50分頃、樹徳高校の皆さんが戻ってきました。昼食休憩をとり、12時45分から意見交換です。高橋副理事長から「地球は大切な友だち」と題して、人間の暮らしの中で身の回りにあるものはみんな「植物」でできていることや、樹種の多い森には多種の虫が生息し、いのちをつなぐ生態系がつくられていることが話され、森びとのつくる森は「メニュー豊富な大衆食堂」と紹介されました。気候変動・異常気象は人間のくらしによって起きており、私たちの暮らしを変えることを真剣に考えようと学生たちに投げかけ意見交換が行われました。

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 植物が生活に取り入れられている事例として、クスノキの葉のにおいを嗅ぎ、虫よけの樟脳に利用されていることや、ヒメスイバの葉で10円玉(銅貨)を磨き、ピカピカになることを実体験し、植物の役割や効能を学んでいました。

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 「森とつきあうことは自分のいのちをつないでいくこと」を育樹作業と意見交換で学んだ生徒さんたちは、苗木と同じように少し成長したように感じられました。
「森と生きる」生徒さんたちを引率された教諭のみなさんお疲れ様でした。

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16時になり“みちくさ”を閉舎すると、知人を捜索に松木渓谷に向かった2人が戻ってきました。「川の水量が増えていて川を渡れないので引き返してきた」と報告してくれました。疲れた様子でしたが2人の顔を見て安心しました。“みちくさ”からダムゲートまで徒歩1時間ほどかかるので、舎人・仁平さんにお願いしダムゲートまで送っていただきました。仁平さんありがとうございました。

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松木の里はウグイスの鳴き声が響き、草むらでは鹿の群れが草を食み、たくさんのトンボが舞っていました。雨の恵みで草の生長も早いようです。苗木の生長を助けるため育樹作業も進めていきます。

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本日の放射線量 0.154µsv/h 舎人は仁平、筆者清水でした。

2019年7月14日 (日)

クマと森とひとと

日光に向かう電車の車窓からはずいぶんと緑が濃くなってきたのを感じました。この時期は、山裾のマタタビの白さが目立ちます。今年の梅雨はなかなか晴れ間が少なく、今日も曇りとはいえ雨がぱらつく予報。三連休ながら人の足が心配される出だしでた。

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みちくさにつくと足尾の山を知り尽くしているUさんがやって来て、対岸にクマがいることを教えてくれました。

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どこかにクマが…クマの親子は一日中対岸で戯れて?いました

足尾の山の話でいろいろ盛り上がったりしましたが、厳しい意見も頂きました。

「中倉山にハイカーが増え、ゴミが増えたり、勝手にマーキングをしたり新しい道を作ったりする人も増えた。孤高のブナで中倉山を有名にしたのは森びとなのだから、その責任はきちんととってくれないと」と。責任はともかく、足尾の山々が傷むことは私たちの本意ではないので、これは早急に森びととしてできることを検討して実施したいですね。貴重なご意見、ありがとうございました。

お昼にこちらも足尾を深く知り愛するお一かた、大木さんがやって来て、今年はクマに5連続で会ったよ!と言って写真を見せてくれました。今日もお漬物の差し入れをしてくださり、本当にありがとうございました。

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三連休とはいえ、さすがにこの天気ではね、と思っていたところ、後半に3組の方に訪問頂きました。

クマと足尾の星空を愛する女性が、先週に引き続き再訪問くださいました。みちくさの手前で会うと、あそこにクマいますよと。逆に教えてくださいました。あの小さな点を一人でよく見つけたなぁと感心しきり。その後、松木での「星空観察会」実現に向けて、日程調整やアドバイスをみちくさにて。

作業から戻ってきたメンバーも含めてがやがやしていたら、埼玉から釣りびとがお二方、休憩がてらに立ち寄ってくださいました。今日は一番奥の堰堤まで足を伸ばして、そこそこ大きなイワナが釣れたとのこと。やはり2年前くらいからクマを多く見るようになったそうです。

最後は旧日光市から来ていただいたご夫婦。足尾ゲートの中入ったのは初めてだそうです。話をしていると、森びとがいつもお世話になっている、鈴木いつ子さんのお知り合いだと判明!ご寄付も頂き恐縮でした。カッコいい杖をお持ちだったので、その話をしたら是非使ってくださいと、置いていかれました。こちらも大切に使いますね。ありがとうございました。

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今日は雨も降らず、多くのみなさんに立ち寄っていいただきたのしいみちくさとなりました。ただ、この辺り、クマの活動が活発になっているようですので、入山されるかたは十分ご注意のほど!


来週はいよいよ育樹祭があります。どうぞ奮ってご参加ください!

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みちくさの庭での草取り
根がこんなに張っています

(舎人 松村宗、小黒 本日の線量 0,117μSV)

2019年7月 7日 (日)

うれしい七夕になりました。森ともと「クマ」と星空の織姫が“みちくさ”してくれました。

本日7月7日は七夕です。足尾の天気は曇りでしたが時折雲の切れ間から青空が見えました。彦星と織姫は1年ぶりに会えるでしょうか。鹿の出迎えを受け、森ともとの出会いを楽しみに遊働楽舎(愛称:みちくさ)をオープンしました。9時の気温は24℃。すでに高橋副理事長と仁平スタッフは“みちくさ”周りの草刈りを行っており、汗ばむ気温です。

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七夕にむけて、6月から“みちくさ”に立ち寄っていただいた森ともの皆さんや、森びとスタッフから、気候変動や森づくりへの思い、温暖化防止に向けた決意などを短冊に書いていただきました。短冊に麻ひもを通し、一昨日柳澤スタッフが運んでくれた竹に、舎人の小井土さんと一緒に短冊をつるしました。

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時折突風が吹き、短冊をつけた竹が飛ばされそうになりました。風が止むのを待って全部の短冊をつけ終えました。竹を立てるためにみちくさの東側に単管を打ち込み、竹を差し込むと七夕飾りの出来上がりです。短冊が風に揺られ、みなさんの思いを森に届けているようです。

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本日1番に立ち寄ってくれたのは、ベテランクライマーの大木さんです。松木の斜面で子育てをするクマの写真を持ってきてくれました。ここ数日クマの目撃情報があり、今朝も松木川の対岸でクマが確認されました。
そして、ニンニクの効いたキュウリの漬物もいただきました。昼においしくいただきました。大木さん、ごちそうさまでした。

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草刈りを小休止した高橋副理事長からクマ情報です。“みちくさ”東側に植えられたウワミズザクラの実が食べられ、食べるために木の枝を折ってベッドのようにしたクマ棚ができていると知らされました。クマ棚を見るのは初めてでしたが、うまく作るものだなーと感心しました。枝を折られたのは残念ですが、クマも森(さくらの実)に生かされているんだなということを真近で確認でき、うれしくなりました。

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午後になると、ジャンダルムから戻ってきたロッククライマーの男性3人が立ち寄ってくれました。皆さん栃木県内在住の方で、天候が悪くなると予報が出ていたのでロープ張りの練習をしてきたと教えてくれました。
早速、七夕の短冊に「願い」を書いていただきました。「12Cの壁が登れますように」「安全に足尾の山に登れますように」「世界が平和でありますように」。さっそく竹に飾らせていただきました。

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氏家から来たクライマーの男性からは、「以前、沢登りをしていたら近くの木の上でクマの親子がドングリを食べていて、自分は水の音で気づかなかったがクマはびっくりして木から落ちて逃げていった」とクマ情報を教えてくれました。クマは広いエリアを縄張りに持つそうですが、クマが生息できる森が広がっている証ですね。私たちがこの地で森づくりを始めて15年。食物連鎖・生態系の循環が可能な森の形成に少しでも役に立っていると思うとうれしい限りです。

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次に立ち寄ってくれたのは野田市から松木渓谷を訪れた男性です。「北側の斜面で黒いものが動いていたよ」とクマ情報を教えてくれました。

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その後、以前みちくさ看板前で遊んでいるキツネの写真を提供していただいた大沢さんが立ち寄り、早速クマの写真を撮りに松木渓谷へ向かいました。しばらくして戻ってくると、「親子のクマを撮れました」と報告してくれました。
そして、クマと足尾の星空をこよなく愛する女性も合流し、足尾で見る星空・天の川の美しさで話が盛り上がりました。星空観察担当の仁平スタッフは、見せていただいたジャンダルム方面にかかる天の川の写真に感動(星空観察を計画しても曇天で観察できないこともあり)。さらに「星空案内人3級」を所持していることも紹介され、森びとで「星空観察会」を計画するときは、指導をしていただくこともお願いしました。よろしくお願いします。

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七夕の願いは、多くの森ともとの出会いをかなえてくれました。そして、キツネやテン、アナグマ、ツキノワグマなど、多くの生き物と共生できる足尾の森が蘇っていることにも感動した1日となりました。

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遠くに見るクマの親子は、母親から木の実やアリの巣の探し方、岩山の上り方など、生きる知恵を授けているように見えます。
出会いがしらのクマは危険ですので、鈴や笛、ラジオなど、人間の存在を知らせる準備も必要です。山に入る際はくれぐれも注意をお願いします。

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午後は、舎人の合間に高橋副理事長・仁平スタッフと「みちくさの庭」の草刈りをしました。イチゴのツルが伸び、イチゴの苗が増えていました。松村宗スタッフのブラックベリーも実を膨らませています。花の蜜を吸うチョウも舞っています。オオカメノキの幼木が草に隠れていましたが、草を刈ることで風通しが良くなりました。

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7月21日の第一回育樹祭では「みちくさの庭」に咲く花も楽しんでもらえるよう育樹作業も進めていきます。


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本日の放射線量 0.105µsv/h 舎人は小井土、筆者清水でした。

2019年7月 6日 (土)

みちくさテラスにツキノワグマが訪問!?

 本日の足尾・松木沢の天気は曇りで、気温24℃しかなく、セミの声も聞こえず、ずっと心地よい風が吹いていました。

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 10時を過ぎたあたりで、熊谷から来られた釣り人が来舎されました。「水が汚れていると魚が釣れるんですよ」「30年前はここは手を入れていないところだった。岩だらけでグランドキャニオンと言われていました」「放射線量が高かったので、福島に通っていました」「釣りは釣れても釣れなくても運動になるから良いんですよ」「今日(の釣果)は20cmのヤマメ一匹です」と仰っていました。是非、またお待ちしております。

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 10時30分過ぎ、今日は鎌田スタッフ、小川スタッフ、仁平スタッフが21日開催の育樹祭のために、森びと広場の草刈りをして下さっていました。集中して一時間草刈りをされていましたので、みちくさテラスにて一緒にコーヒーブレイクです。すると、髙橋さんが桜の木を指差しました。ツキノワグマが木にのぼり枝を折って、クマ棚を作ってサクランボを食べていたようです。さぞかし美味しかったんでしょう、木を降りたあとも、むしゃぶりついていた枝が道路に落ちていました。

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 午後には、東京都足立区から来られた釣り人が、久蔵沢での釣りを終えてから松木沢へ釣りをするために来舎されました。今年から足尾に入るようになったらしく、「一か月前に来た時はヤマメが30匹釣れたんですよ」と仰っていました。また、「1時間前に仁田元川あたりで熊が2頭見かけたと話を聞きました」という情報をいただきました。別れ際には「友だちから(みちくさのことを)聞いていたので、来れて良かった」と言って下さいました。また、お待ちしております。

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 その後、髙橋さんが何やら間伐材に絵を描き始め、みちくさテラスに設置をしていました。行ってみると...
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 おかめ

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 親方?

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 間伐材を有効活用して、作ったこけしは松木沢を訪れるハイカーや釣り人を和ませるものになるのではないでしょうか。アイデア、作ってみたい方がいましたら、みちくさの舎人に遠慮なくお申し出下さい。

 午後のコーヒーブレイクでは、仁平さんが作成されたかかし(名前はまだ決まっていません)が披露され、場を和ましてくれました。
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 最後に、みちくさ前に帽子が落ちていました。入口に置いておきます。

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 本日の放射線量は0.098μSv、舎人は髙橋、小林でした。

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